本日は、東京都大田区にある「シニアステーション田園調布」で講習を行ってきました。
20名ほど集まったスマホ初心者のシニアの方々のうち、推定5名ほどが「らくらくスマホ」と呼ばれるスマホをお持ちでした。
私達は常日頃シニアの方々に「らくらくスマホだけは買わないで下さい。」とアドバイスをしていますが、本日もその話題が出たので、ここで改めて私達がらくらくスマホを薦めない理由を整理したいと思います。
1.自由にアプリをインストールできない
2.スクリーンタッチの感度が独特(鈍い)
3.ユーザーインタフェース(画面構成/見た目)が様々
4.高い
これが私達がらくらくスマホを薦めない大きな理由となります。
順に詳しく見ていきましょう。
1.自由にアプリをインストールできない
らくらくスマホで利用できるアプリは、買った時にあらかじめインストールされているアプリだけです。
そんな馬鹿な? いえ、本当です。
シニアの方はどうせアプリなど入れられないので、適当に人気アプリを入れておけば十分。そういう発想による制限だと推測されます。
アプリを入れられないスマホはスマホとは呼べませんね。
シニアの方をあまり馬鹿にしてはいけません。
という事で念のため現在販売されている大手各社のらくらくスマホを調べてみました。
ドコモ:らくらくスマートフォン4(2017年2月発売) GooglePlayに対応、アプリインストール可能
AU:シンプルスマホ BASIO2(2016年8月発売) GooglePlayに対応、アプリインストール可能
ソフトバンク:シンプルスマホ3(2016年9月発売) GooglePlayに対応、アプリインストール可能
大変失礼しました。
いつの間にかアプリがインストールできるようになっていました。
ま、スマホである以上あたりまえの事なんですが、少なくとも以前のシニア向けスマホはアプリがインストールできない機種が存在していました。ドコモで販売している富士通製の端末などがそうでした。
やっぱり苦情が多かったんでしょうかね?
シニア向けスマホが正常に進化して良かったです。
2.スクリーンタッチが独特(鈍い)
触った事がある人はご存知なはずです。シニア向けスマホはスクリーンタッチの反応が何故だか鈍いんです。
じっくりギュウっとタッチしないと反応してくれないんです。
そこには、「スクリーンタッチに慣れていないシニアに確実に画面タッチを行わせる」という意図が感じられます。
しかしそれは逆効果で、スクリーンタッチをより難しいものにしています。
設定の変更でスクリーンタッチの感度を上げることができるのかもしれませんが、出来ればデフォルト設定は一般的なスマホと同程度の感度にしておいて頂きたいものです。
シニアの方は皮膚の状態によるものか普通のスマホでも上手くタッチできない事が多いのですが、それに輪をかけて鈍感なタッチ設定となると、それは単なる使いにくいスマホとしか言えません。シニアの方々は結構苦労しています。
3.ユーザーインタフェース(画面構成/見た目)が様々
AndroidとiOS(Apple製品)の違いはあれど、概ね似たような見た目のユーザーインタフェース(操作画面)を持つのがスマホの特徴でもありますが、シニア向けスマホの場合はこのユーザーインタフェースがメーカー独自のさじ加減で簡略化されています。これについてもシニアには簡略化した方が使いやすいだろうという意図が見えますが、実際のところはこれが大間違いで逆にシニアを混乱させています。
で、困ったシニアが誰かに聞いたとしても、普通のスマホを使っている人にはメーカー独自で各社各様のユーザーインタフェースは全く分かりません。普通のスマホなら分かるのですが。。
4.高い
意外と高いんです。シニア向けスマホは。中には7万円という機種もあったりして、7万円あったら絶対iPhoneを買った方が幸せになれますね。
結局のところ、何も知らないシニアに売りつける利幅の大きい戦略機種という感しがどうしてもぬぐえません。かなり私感ですが。
本当にシニアのためのスマホを作るなら、ユーザーインタフェースは普通にして、触りもしない独自アプリのインストールは一切せず、シニアに人気な乗り換え案内、天気予報、万歩計、カレンダーといった生活アプリをプリインストールしたものを作って欲しいですね。
以上、色々並べましたが、アプリをインストールできるとしても、シニア向けスマホはおすすめ出来ません。
買うなら普通のスマホを購入して下さい。これは延べ2000人以上のシニアに講習してきた立場として明言致します。
これからスマホを購入する人は、CMに騙されず、店員に薦められてもハッキリと「普通のスマホがいい」と言いましょう。